デザイン工学科の「キャリア?デザイン」授業レポート -「教職学協働」によるキャリア教育を推進-

2021/06/14
  • 学び
デザイン工学部デザイン工学科の3年生向け共通教養科目である「キャリア?デザイン」の最終課題発表が、5月24日(月)と5月31日(月)の2回に渡ってオンラインで行われました。

  • 学生達が「採用担当者役」と「就活生役」に
    本科目の最終課題では、学生達が「企業の採用担当者役」(6社分)と「就活生役」にそれぞれなりきり、ロールプレイング形式による面接が行われました。
    この取り組みは、学生が両方の立場での面接を経験することで、就活を大学受験のような一過性のイベントではなく、「自分のこと」として向き合うこと、そして「就業する」「キャリアを考える」ということの本質を掴むことを狙いとして、昨年度から実施されています。

  • 担当教員のみならず、卒業生やキャリアサポート課の職員も授業に参加
    社会人となった本学の卒業生や就職担当の職員も面接の様子を視聴し、学生達へ細かいフィードバックを行いました。
    そして一部の学生に対しては、事前準備や応答内容について高い評価がされました。
    またその一方で、「結論ファースト。聞き手に負担をかけないことが大事」、「話に具体性がない。面接官が最後に見返すときに、その人の話が映像で浮かぶ人は印象に残りやすい」、「時制の整理を意識するべき。過去~大学生活の話があり、そこから未来につながる話が聞きたい」といった具体的なアドバイスも飛び交い、学生たちも熱心に聞いていました。


全7週間の講義を受講した学生たちは、就活に関する様々な不安や心配事を減少させることができ、そして、今後の学生生活の送り方やキャリア形成のための様々なヒントが得られました。
デザ工1
デザ工2
デザ工3
デザ工4

デザイン工学科 共通教養科目「キャリア?デザイン」

  • 2019年度から開設されたデザイン工学科3年生向けの集中講義(200分×7週間)
  • 最終課題の発表(採用者?就活生の役に分かれての模擬面接)は、学生が志望する就職先6社を想定し、2週に渡り実施
  • エントリーシートは「miro」というオンラインホワイトボード上で事前共有
  • 担当教員のみならず、本学の老挝磨丁赌场_老挝赌场-中国竞彩网官网推荐の卒業生や、キャリアサポート課の職員も参加し、面接の内容を講評

参加学生のアンケート結果

※一部抜粋。左側が第1週の結果?右側が第7週後の結果
アンケ1
アンケ2

■学生のコメント
  • 自分では気づかなかった点や、企業側の意 見など貴重な話を聞くことができました。一人ひとりの感想もいただけて、この意見はほかの人にも当てはまる ことが多くてとてもためになりました。
  • 就職準備期間に私も経験を沢山積み、それ が面接で伝わるように成長していきたいと思います。
  •  名指しでの具体的な指摘や、良 い点は褒めてくださったりしてとても励みになりました。
  • 今後の就活での面接を思うとずっと不安だったのでこのような体験とゲストの方のアドバイスをいただける 環境をいただけて嬉しかったです。
  • 就活のみならず、コミュニケーション面において、人生の様々な状況で活かせると感じました。
  • 聞き手に好印象を与える話の組み立 て方、また企業研究の面接への活かし方から企業理念を意識した話の塩梅まで、より具体的に知ることができました。

担当教員:デザイン工学科 加藤恭子 准教授のコメント

教職についた十数年前から、様々な形で就職支援に関わる機会がありましたが、多くの学生の中で、就活が知識やスキルを得て「のりきる」一過性のイベントのような受け止められ方をしていることに疑問を感じていました。そこで、担当する講義では、学生に面接官と就活生の役になりきって模擬面接を実施するというプロセスを通じて「就業する」ことの本質を理解させる試みを昨年度から始めました。「相手の立場になりきる」ことは、顧客中心思考やデザイン思考の本質でもあるため、学部で学んだ思考が自分自身にも活かせることに気づいてほしいという隠れた意図もありました。

各界で活躍する本校卒業生に加え、今年度はキャリアサポート課のみなさまの協力もあり、適度な緊張感の中で模擬面接を実施することができました。

 今年度は第1週と、第7週(講義後)に「就職に関する不安」に関するアンケートを実施し、予想より多くの学生の不安が軽減されていることがわかりました。また、学生のふりかえりからは多くの気づきがあったことも見えてきました。ただ、「わかった」と「できる」は違いますので、「わかった」ことが相手(企業)に伝わるレベルにまで引き上げられるよう、今後も試行錯誤を重ねてまいりたいと思います。