半田洋久さんがDesign Review 2025にて8選 / 佐々木翔賞を受賞
- 建築学部
受賞者
半田 洋久 さん(建築学部)
指導教員
原田 真宏 教授(建築学部)
大会名
Design Review 2025
賞名
発表題目
-留保と設計の両立から換喩としての全体を探り出す、集落復興の気運醸成を目指した 1 つの被災物件改修プロジェクト-

作品について
能登半島地震被災地の輪島市門前町黒島地区で行った活動の記録を、「卒業研究(設計)」として提出させていただきました。具体的には、一般社団法人湊という現地の事業者の方と協力し、被災した物件を改修/整備する設計/プロジェクトです。 連続的な流れがあり、その断面として、決まり切っていないことを、そのままお見せするようなものになってしまいました。しかし、それは現時点で決めきれない物事に対して、「留保」を設計したということもできました。こうした視点は、資本の上に立つ建築という前提があると、中々身近ではない行為です。 能登に身を投じる中で、そんな資本とは離れた価値観の中で復興を考えたことによって、私の価値観や考え方も大きな変容を遂げました。そういう意味では、非常に独特な提案になったかもしれませんが、それは全て能登が僕に学ばせてくれたことです。
今後の展望
佐々木翔さんという若手の審査員に、このプロジェクトの葛藤、解答方法を理解していただけて、大変光栄に思います。しかしこれは佐々木さんのような同じような境遇を経験している人でないととコメントしづらい問題でもあるかもしれないと、同時に諦めも感じています。一口に社会性と言っても、いろいろありますが、若手建築家に課せられている逃げきれない「社会性の追求」という問題は、少し世代が異なると相容れない問題であるかもしれません。おこがましくも、昨今の大阪万博での議論に少しだけ重なる部分が感じられます。今回の経験から、自分自身の感じている葛藤や問題意識を大切にし、遠くの夢に思いを馳せること、それと同時に目の前にある切実で描ききれない問題へのアプローチを同じくらい大切にしようと思いました。

