渡邉莉菜さんが第2回 次世代のビタミン学に繋げるイノベーションミーティングにて優秀発表賞を受賞
2025/03/03
- システム理工学専攻
受賞者
渡邉 莉菜 さん(システム理工学専攻 2年)
指導教員
廣田 佳久 准教授(生命科学科)
学会?大会名
第2回 次世代のビタミン学に繋げるイノベーションミーティング
賞名
優秀発表賞
発表題目
アルツハイマー病治療を志向したビタミンK同族体とその誘導体によるフェロトーシス抑制作用の評価

研究目的
ビタミンKは脳組織に多く存在することが知られていますが、脳内にビタミンKが多い理由やその役割は十分に解明されていません。近年、アルツハイマー病患者の脳内では非アルツハイマー病患者と比較してビタミンK濃度が著しく低下することが報告されました。このことから、脳内ビタミンK濃度の低下がアルツハイマー病発症の一因となっている可能性が考えられます。そこで、アルツハイマー病で認められる細胞死フェロトーシスをビタミンKやその誘導体が改善できるかを評価しました。
研究内容
近年、フェロトーシスをビタミンKが強力に抑制することが報告されました。そこで、ゲノム編集法によりフェロトーシスを誘導する細胞を樹立しました。この細胞を用いてビタミンKやその誘導体のフェロトーシス抑制作用を評価した結果、ビタミンKの側鎖の長さや側鎖末端の構造がフェロトーシス抑制に影響を与えることが分かりました。
今後の展望
フェロトーシスは、アルツハイマー病の他、がんの治療標的としても注目されています。フェロトーシスを制御できるビタミンK誘導体を創製することで、新たな治療薬としての臨床応用が期待できます。